融資が厳しい情勢下、初心者が取りうる戦略

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一昔前までの2010年代は融資がバンバンでていました。

それこそ年収が数百万円前半のいわゆる低属性に分類される方であっても融資がでていました。

まさに一攫千金を夢見る魑魅魍魎がすごい勢いで増えていた時代です。

しかし、かぼちゃの馬車事件を発端とした金融機関のスタンス変更によって、2020年代はサラリーマン大家にとっては冬の時代です。

この間に運よくメガ大家となって生き残った人もいれば、いつの間にか退場させられた大家もたくさんいます。

この融資のでないご時世に初心者の方が取りうる戦略を解説します。

こんな人におススメ
  • これから不動産投資をしようと考えている方
  • 買いたいと思った物件がなかなか買えない方
  • 昨今の融資情勢を踏まえた戦略を知りたい方
目次

まずは結論

  1. 築古1棟小規模木造アパート
  2. 築古戸建て
  3. 中古区分(1、2が難しい方)

金融機関の融資スタンス

サラリーマン大家には冬の時代

冒頭にも記載しましたが、2023年の現時点はサラリーマン大家にとって融資情勢は冬の時代です。

もちろん全くでないわけではないですし、現に私も融資をだしてもらっているので、可能性がないわけではないです。

ただ、頭金として2割~3割を求められるのが基本となってきています。

つまり、仮に3,000万円の物件を購入する場合、だいたい600万円~900万円ほどの現金が必要なわけです。

私自身サラリーマンですのでわかりますが、これぐらいの現金をポンっと出せる方はなかなかいないのではないでしょうか。

預金があるというのと、それを不動産投資に使える、というのは全く異なる話だからです。

さらに、結婚している方であれば伴侶の理解を得る必要があるためです。

男性からすると嫁ブロックと呼ばれるものですが、このハードルを越えることが最難関のケースも多々あります。

一昔前のようにフルローンは当たり前、オーバーローンで諸経費分もすべて融資でまかなえた時代が夢のようです。

1棟物件は厳しい

1棟物件に対する融資はさらに厳しくなってきています。

融資情勢に加えて、投資に値する物件がなかなかでなくなってきているためです。

私は居住地から30分圏内のドミナント戦略をとっていますが、その場合、投資に値する物件がでてくるのは数件程度です。

そして、その数件も瞬間蒸発してしまうので、買付をいれても先着がいたり、1番手だったとしても融資審査中に現金客に持っていかれたりして、なかなか買えません。

つい先日も投資に値する鉄骨1棟ものがあり1番手買付をいれ、新しい金融機関をいくつか開拓しました。

5つの金融機関に打診し、前向きな回答をもらえたのは1つだけでした。

しかし、新規開拓の金融機関ということで仮審査に2週間弱かかり、その間に融資結果が先にでた2番手の方に持っていかれてしまいました。

※頭金1割、金利1%代前半とかなり良い条件で回答いただけたので、本当に悔しかったです。

初心者不動産投資家はさらに厳しい

上記に記載しましたが、すでに不動産投資を行っていて実積もあるにもかかわらず、新規で5つの金融機関に打診し、前向きな回答をもらえたのは1つだけでした。

また、すでに付き合いのある金融機関の担当者の方と会話する中でも、新規でサラリーマン大家に融資をするには相当ハードルが高くなってきている、という話も聞きます。

仮にあなたが高属性の方であれば、地銀や信金から融資を出してもらえる可能性は高いですが、一般的なサラリーマンであれば厳しい情勢といえます。

ちなみに高属性とは、親が地主等で将来的に莫大な資産の相続が見込めることなどです。

年収が1,000万円を超えるのは一つの指標とはなりますが、不動産投資界隈では上には上がいるため、それだけで無条件に融資がでるわけではありません。

現時点で不動産投資を始める際の傾向

小規模物件

多くのサラリーマンの方にとって重要なのは大負けしないことです。

私もそうですが、これまで真面目に学生生活を送り仕事をしてきた人が多いと思います。

不動産界隈はどちらかというと真逆の人生を歩み人をだましてでも一発逆転してやろうと虎視眈々とひよこを狙っている割合が多いですが、そういった甘い話にそそのかされないようにしてください。

たまたま世の中の流れに乗って運よく売り抜けて規模を拡大させた投資家ばかりのように見えますが、その裏で多くの人が撤退を余儀なくされています。

小規模物件であればたとえ失敗したとしてもリカバリー可能なので退場させられる可能性は低くなります。

また、昨今の融資情勢ではいきなり億越えの融資はほぼでないです。

よほどの資産家でない限り、数千万円前半の規模感が目安でしょう。

中古物件

規模感の話と関係してきますが、ある程度利回りがとれる小規模物件はほぼ100%中古物件です。

それもいわゆる築古と呼ばれるような物件です。

築古物件は耐用年数を超えていますので融資付けがさらに厳しくなりますが、全くでないわけではありません。

また、最近流行りのボロ戸建てであれば、東京都を除く首都圏近郊エリアでも数百万円前半で見つかります。

こういった中古の戸建てや一棟もので一連の経験を積んで、強制退場させられないような経験値を積むことが重要です。

取り得る不動産投資手法

築古1棟小規模木造アパート

不動産投資に使える現金を500万円~1,000万円程度持っている方は築古1棟アパートが選択肢に入ります。

規模感は2,000万円~3,000万円程度。

頭金2-3割だとして諸経費含めても500万円~1,000万円あれば対応可能です。

耐用年数はオーバーしていても融資をしてくれる金融機関に打診しましょう。

首都圏近郊エリアであれば表面利回り10%以上が目安になります。

初期費用2-3割、融資期間15年をひければ、十分にキャッシュフローがまわります。

※夢のような1棟ものは近年はほぼエンドには流れてきませんので現実的な目線で一歩踏み出しましょう。

築古戸建て

手持ちの現金がほぼない方は築古戸建てに限られてきます。

一昔前は100万円未満で手に入るような物件がありましたが、昨今のボロ戸建てブームでめっきり見なくなりました。

なので、首都圏近郊で見つかる目線としてはだいたい300万円前後が目安でしょうか。

この価格帯になると物件の状態はピンキリですので、しっかりと現地確認してください。

また、再建築不可、傾きあり、擁壁あり、井戸水、など素人ではどうしようもない問題を抱えている場合、購入したとしてもかなりの費用が掛かりますので、選択肢から外してください。

また、しばらく住んでいない物件は水回りや給湯機なども使えなくなっている可能性が高いため、その分の修繕費用も見積もっておく必要があります。

300万円で購入して20-30万円程度の簡易的なリフォームで貸し出せる物件を探しだし、家賃6万円で貸し出せば、表面利回り20%を超えます。

築古戸建ては修繕等の維持費が高くなるため、表面で20%はないと厳しいです。この辺りが最低ライン、かつ、会社員でも対応可能な現実的な目線として探すとよいかと思います。

中古区分(1棟や戸建てが難しい方)

一棟やボロ戸建てがなかなか見つからない方は中古区分が残された選択肢になります。

中古区分といっても様々な選択肢がありますが、新築ワンルームは絶対に避けた方がよいです。

現金を豊富に持っている方であれば都心タワマンを購入しキャピタルゲイン狙いという手法もありますが、一般的なサラリーマンには難しい選択肢です。

おススメなのは首都圏近郊の駅チカ物件で、ファミリー層向けか、もしくは広めの部屋を探している単身者向けです。

価格帯は数百万円前半から後半で、家賃は5万円~10万円あたりです。表面利回りで20%は欲しいです。

というのも、区分の場合、管理費・修繕積立金が発生し、これが収益を圧迫します。

エレベータがある物件は修繕積立金が高いのでその分家賃をとれるエリアではないと難しいです。

また、区分は中古だったとしても固定資産税が高い傾向にあり、それも収益を圧迫します。

総じて表面利回りがよかったとしても手残りが少なく、最初の経験としてこの選択肢しか取れない方以外はあまりおすすめしません。

まとめ

最初の投資物件として現実的な選択肢としては、中古の小規模な物件です。

あとは、自分の属性、手持ちの現金、許容できるリスクを踏まえて対象を決めてください。

  1. 築古1棟小規模木造アパート
  2. 築古戸建て
  3. 中古区分(1、2が難しい方)

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